今後を読む - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.287  2023年 7月号

今後を読む

私なりの今後の環境変化に対する見通しをお話したいと思います。
日経平均が上がってきていますが、これが4万円台を超えていくと本当のバブルになるでしょう。今の季節、私は軽井沢に滞在しています。軽井沢では購入価格の倍程度で売却される土地も増えており、不動産バブルは既に発生している実感があります。相場の上がる勢いから察するに、速いスピードでバブルに突入し、1年半程度で崩壊するのではないかと予想しています。思った以上に崩壊後の準備を早くに始める必要があると考え、当社では既にそれを見据えたプロジェクトをスタートさせています。

ひとたびバブルが崩壊すると、金融が止まることが予想され、借入金を多く抱える会社、特に不動産業の経営は非常に苦しくなるでしょう。今回はリーマンショックを超える規模となり、世の中はしばらく混乱が続く可能性があります。
今後、事業法人は二極化の傾向が強まるでしょう。株価の伸び、従業員の給与アップといったところでかなりの差がつくと思います。
そのような厳しい環境の中で、どう会社を生き残らせるか。そのためには私は少人数経営がポイントだと考え、社内でそれを叶えるための工夫、仕組みの立案・推進を行っています。経営が厳しくなったときに従業員を解雇するという選択は最終手段ですから、基本的にはあらかじめ人を増やさず出来る方法を考える、少人数経営にこだわるべきだと考えています。それは言うほど簡単なことではない、と感じられる方もいると思います。しかし、現に、当社には10年前にはいまの約1.7倍の正社員がいたのですが、少人数経営を実践し70名ほどとなった現在では、業績は下がるどころか10年前の2倍になっています。もちろん簡単に出来ることではないと思いますが、バブル崩壊時に追いつめられてリストラするより、今、少人数経営にチャレンジして、苦労を先取りした方が良いと思います。

恐竜の絶滅に倣って生き残るには変化への対応力・順応性が大事だといいます。昨今では、環境変化が激しく、どんなに備えていても想定外のことが起き得ます。そういった際に、しばらく様子を見ていられる程度の体力は身につけておく必要があるでしょう。私は、いくら多大な売上・利益を上げても、それがいっとき会社にもたらされるという事業より、最初の利益は少なくても、コツコツ続けて安定した利益を得られるストックビジネスの方が、世の中の変化に対応しやすいと考えます。

決して脅すつもりはありませんが、近い将来、起きるだろう混乱に先立ち、経営者は自ら先頭にたって、会社をより良い方向に舵取りしなければなりません。実際逆風となったときは、それまで環境悪化を予想して、それに対してどれだけ準備したかで結果が大きく変わるでしょう。環境が良く見えるときほど、経営者として、現在のビジネスを将来も続けられるか、と自分に問い続けなければいけないと思っています。

今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道