海外の感じ方!! - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.291  2023年 11月号

海外の感じ方!!

先日、「SELF STORAGE EXPO ASIA 2023」というタイで行われたストレージ業界のイベントに参加する機会がありました。その際にマレーシアにも立ち寄り、両国で様々な気づきを得ましたのでその話が出来ればと思います。

まず、物価については両国ともに日本よりやや安い程度、大きな差がなくなってきていました。そして、マレーシアのクアラルンプールは非常に整備されており、人口が増加していることもあって、街全体に活気があり明るい印象をうけました。クアラルンプールへの日本からの移住が増えていると聞いていましたが、その理由が良く分かりました。
マレーシアとタイ、同じような印象を持たれている方も多いかと思いますが、タイの人口は頭打ち状態であることから、タイは日本の高齢化社会と似ていると感じました。
そして、両国とも相続税がほとんどないという点が、街の様子によく表れていました。タイで不動産を見てまわった際に、何十億とする高額な物件に出入りする住民が皆若い方なのです。疑問を投げかけたところ、みな富裕層のお子さんたちであると教えてもらいました。相続税がないので、貧富の差が代々続きます。良い悪いの議論はさておき、将来の、子どもたちのためにお金を繋いでいくというのは、今の日本に必要な視点だと感じます。
また、タイで販売している日本のアパレル会社の服はだいたい日本の1.3倍程度でした。タイの収入で買えるのか疑問だったのですが、購買層は富裕層だそうです。タイではブランド化しているとも聞きました。そのほか、日本から食材を仕入れて営まれている日本食料理店のランチは5万円でした。日本人は私たちだけで皆現地の方や外国の方でした。味というよりも、日本食自体がステータスになっている印象を受けました。

このように、私は海外へ行った際には、ただ観光するというよりも、現地の方々の生活様式やその背景についてより深く観察します。そうすると、世界や世の中のことが見えてくるのです。
日本は島国だからか、視点が日本的なところに留まりがちです。今年に入って何度かお話していますが、グローバル視点で日本社会や自社ビジネスを観察すると、新しいチャンスがたくさん見えてきます。日本がこれから世界に対して勝つ方法もたくさんあるでしょう。最たるものはきめ細やかなサービスです。気配りのシステム化は世界に羽ばたくチャンスだと思います。

個人的に、税制をはじめ日本についてはネガティブな意見がないわけではありませんが、こんなにも素晴らしい国はないとつくづく思います。前述のきめ細やかさが発揮された商品は、使いやすさ、安全性の観点でも素晴らしい商品が多いのです。人口減少など未来のことを考えると目をそむけたくなるようなニュースも多いですが、このような発想で日本を見つめ直すと、日本の未来が見えてくる気がします。
今回の時代を読むが皆さまのお役に立てば幸いです。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道