ストレージ業界の将来性 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.293  2024年 1月号

ストレージ業界の将来性

今回はストレージ事業の将来性についてお話をしたいと思います。この事業に関しては、日本よりも諸外国の方がかなり進んでいます。アメリカは約50年前、その後ヨーロッパ各国、アジアオセアニア圏に拡がり、今では40~50か国に波及しています。
いまも緩やかに市場が拡大しているアメリカの供給数と世帯数の比率から計算すると、日本は現在の10倍もの供給数が見込まれ、今後の市場拡大の余地が大変大きい事業であることがわかります。日本の市場の中で、ここまで成長が見込まれる事業はなかなかありません。このような状況にも関わらず、コンテナの値上がり、不動産価格の高騰といった背景から他社は足踏みする傾向にあり、参入事業者は市場の成長期待値から考えると多くはないように思います。
コンビニエンスストアのように、海外発祥のビジネスが日本で独自の進化を遂げ、その日本式の形態が評価され再び海外へ進出していく、日本のストレージ事業もそのようなプロセスで世界の市場を変えられる事業です。私の世代だけではできないので、次の世代にも引き継いでいくべきビジョンだと思っています。
大胆なアイデア、といったものは苦手ですが、きめ細やかさ、高い品質といった日本の方式は世界で十分通じます。日本の良さを発信していけば十分グローバル企業と渡り合え、グローバルトップとなれるでしょう。人口減少にはじまり、加速する高齢化などから日本はダメだと否定的な意見が後を絶ちませんが、今こそ、わたしたち経営者が世界に目を向け、世界のビジネスを見て、日本の良さと掛け合わせ、日本流をつくっていくことが必要なのではないかと、生意気ながら私はそう思っています。

少し視点は変わりますが、色々な方とお話をしていて、同じ努力をするといっても身をおく業界によって努力の効率、結果の出方に違いが出るものだとしみじみ感じています。成長余地が少ない業界にいて、競争ばかりしなければいけない世界で頑張るよりは、伸びる業界で頑張った方がより結果も出ます。そうした自分たちの頑張りが業界全体に影響する実感を得ることが出来るので、非常にやりがいが感じられるでしょう。
昨今の住宅事情に鑑み、物の収納を司る我々の業界は、生活へ与える影響が大変大きく、ストレージ業界で頑張って結果を出すことが日本の生活、日本を変えることになります。社会を変えるという大役を次の世代に継いであげられることは大変望ましいことだと思います。

この機会により世界に興味をもっていただき、自分の携わっている事業が世界からみたときどのような位置にあるか、そして今後どのように伸ばしていけるのかという見方でぜひ見直してみて頂けると幸いです。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道