クリエイティブマネジメント - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.297  2024年 5月号

クリエイティブマネジメント

今回はクリエイティブマネジメントというテーマでお話できればと思います。
当社では人材育成の重要なポイントはクリエイティブマネジメントであると考えています。
クリエイターの業界でも使われている言葉のようですが、当社のクリエイティブマネジメントとは意味合いが少し異なります。
当社は、少人数経営を掲げており、その実現のため社員に求めているのは「いまの半分の労力で同じ効果をあげるにはどうしたら良いか」といった発想です。

実例をあげます。いまでこそ当社のストレージ物件はきれいだと言っていただくことが増えましたが、昔はそうではありませんでした。社員が現地に行き点検していた時期もありましたが、こうした従来のやり方では、すべての物件を 100 点満点にするには途方もない時間がかかりそうでした。わたしは、社員が現地を点検する数を最小限に、尚且つ現状のやり方よりも物件がきれいになる方法はないかと考えたのです。

そこで、清掃をお願いしていた会社に100 点満点の物件にするにはどうしたら良いか相談し、今より高い費用をお支払いすれば出来るという回答を得ました。私はその会社に、月 1 回、3 か所の現場をランダムで点検し万一問題があったら費用の支払いをしないということで良いかと条件をだしました。
先方はその条件に合意してくれ、その後、ほどなくしてきれいですねと言っていただける物件が明らかに増えました。その清掃会社の仕事の品質も次第にひろまり、他社からの発注が増えたそうです。既に今は別の清掃方法に進化していますが、当社を利用するお客様にとっても、その会社にとっても非常に良かったと、私はいまでも思っています。

私は昔から目標を課せられたときは、その目標値の倍の成果を上げるにはどうしたら良いかという発想をしています。その発想で進めると目標を達成することが比較的容易であることがわかっているからです。当社の社員に「いまの倍の成果をあげるには」と問うと、皆無理だと言います。多くの人にとって、既成概念がアイデア創出の妨げになっているように思います。無理だと思った瞬間に、創意工夫の発想が失われてしまいますから、仕事をする上で、はじめから出来ないと諦めてしまうことは非常に勿体ないことです。特に労力だけで物事を考えてしまうと、倍の成果を出す、1/2 の時間でやるなどといった発想はなかなか出来ません。

わたしが社員に教えるクリエイティブマネジメントとは、あきらめず、出来ない理由を考えず、どうしたら出来るかを考え続けるということです。現在は私がアイデアを出す機会が少なからずありますが、未来のエリアリンクを担う今の当社の社員たちが皆、クリエイティブマネジメントが出来るようになると、わたしたちが目指す少人数経営の集大成となり、そのとき、どこにもない、世界のエリアリンクになっていると思います。
それくらいの視座をもっていないと今後の経済の波は超えられない、そういった危機感をもって日々人材育成について試行錯誤している次第です。
今回の時代を読むが皆さまのお役に立ちましたら幸いです。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道