VOL.299 2024年 7月号
今回は「社員の給与を上げるには」というお話をしたいと思います。
繰り返しお話していることですが、社員の給与を上げられない会社の未来は、明るくないと思っています。背景としては日本各地で強まる外国資本の進出があります。彼らは、人件費や商品の値段を国際基準で決め始めています。この傾向は年々強まっていくと思われ、給与体系が変わるのはもう止められない現実です。
世界では物価が上がれば家賃が上がり、給与も上がるという流れが一般的です。しかし日本はここ数十年、不動産や物価が値上がりしても、賃料は値上がりしないままでした。ですが、それも徐々に変わってくると思います。
当社はそれを見越して、効率を上げ、利益を向上させる仕組みを作り上げてきました。目的意識を強く持ち予習復習を習慣化させる取り組みを徹底することで、社員の効率は社員たち自身の体感で3倍になったといいます。それだけの成果が出せるなら、給与は上がって当たり前です。こういった取り組みもなくただ3倍の付加価値を出しなさいというのは難しいことだと思います。
一般的に、給与が特別高い会社というのは、インセンティブの部分が多いのですが、インセンティブは不確定要素であり、毎日深夜まで、休みなく働かないと業績を上げていけないスタイルでは、社員が限界を感じるでしょう。これは当社のシステムとは全く異なります。私見ですが、営業能力の高い人だけが給与を上げていけるということではなく、会社組織の中で様々な役割の人が参加意識をもち活躍する会社が「良い会社」といえるのではないかと思っており、当社はそういう会社でありたいのです。
自分の仕事を時間で語るような、たとえば「9時から18時まで机に向かって仕事しているから私は働いている」といったような言葉は、なくなってほしいと思っています。社員だけでなく、世の中の人々みんなが、時間ではなく成果で示す働き方を身につけてもらいたいと思い、当社の取り組みについて具体的に記した書籍を作りました。数に限りはありますが、いまの働き方を変えたいと思う方に、ご要望に応じてお贈りしています。
少し話は逸れるかもしれませんが、今、年配の方々はその役職を若い人たちに譲りサポート役に回ったほうが良いのではないかと思っています。いろいろな団体や会議をみていると、年配の方々が要職についている組織が比較的多いようです。この状況はいかがなものかと思います。大谷翔平さんや井上尚哉さんというと少々極端かもしれませんが、あの方々でさえ周囲の素晴らしいサポートをうけてこそ、世界で活躍される人材になったのでしょう。ですから、若い人たちを経験豊かな優れた方々がみんなでサポートしていくという社会に日本が変わったとき、もっととてつもない人材が現れると思うのです。そういう社会にしていくために、一役買えたらうれしいと思い、日々励んでいる次第です。
今回の時代を読むが皆さまのお役に立ちましたら幸いです。