VOL.306 2025年 2月号
今回は、ブルーオーシャンとレッドオーシャンの話をしたいと思います。
ブルーオーシャンとは競合相手のいない(もしくは少ない)市場のことでブルーオーシャン戦略とは、従来存在しなかったまったく新しい市場を生み出すことを指します。反対に競合が市場内に多数存在し、競争が激しく今後の苦戦を強いられる既存市場をレッドオーシャンといいます。しかし、既存のビジネスモデルを変革することで、ブルーオーシャンを創出できるケースも考えられます。
成長が見込めない業界では、社員に高い給与を支払うことが難しくなります。その結果、優秀な人材を確保できず、業績がさらに悪化するという悪循環に陥ってしまうでしょう。私は、そういった業界の未来を拓く鍵は、日本の強みにあると思っています。
成功している企業は、日本の良さを用いた上で、GAFAがしたようにそれぞれの分野で世界標準をつくっているように思います。近年のニトリ、ユニクロ、ドン・キホーテ、セブンイレブンなどの躍進をみるに、グローバルでは、日本のノウハウこそがブルーオーシャンといえるのではないかと思い当たりました。日本人のきめ細やかさや正確さ、さらには禅や武道といった伝統文化は、世界的に高い評価を受けています。チャンスはたくさんあるということです。
ストレージ業界は、この先の10~20年で市場の拡大が見込まれるブルーオーシャンです。コンビニが初めて登場した頃は、街の中で異質な存在でしたが、今では日常に溶け込み、なくてはならないものになっています。ストレージも同じような道をたどるのではないかと思います。
また、日本は諸外国とは異なり土地を借りて店舗開発が可能であるため投資効果も高く、無人運営できるので少人数で事業運営が行えます。多くの業界が成熟期に入っている中で、ここまで伸びしろのある業界は多くはありません。決して楽に稼げるという話ではありませんが、多くの方に自信をもって参入をおすすめできる事業です。
話は少しそれますが、かつては、スーパーマーケットやショッピングモールは存在しませんでした。それまであった雑貨屋や乾物屋などが、あっという間に消え、コンビニやスーパーマーケットに代わり、今では大型のモールが出来ています。ITが未発達だった時代でも、このような大きな変化が起こりました。テクノロジーの進化が加速する現代においては、さらに急速な変化が予想されます。気が付いたら取返しのつかないことになっていた、という事態も十分起こりえるでしょう。
日本では人口減少、GDP成長率停滞など、経営において明るい話題が少ないのは事実です。ですが、いま置かれている環境の中で成功するにはどうしたらよいか、どういう業態・やり方がいいのかを経営者が常に考えることで、会社の未来が拓けるのではないかと思います。一方、判断を早くすることを意識しないと、あっという間に手遅れになるという危機感ももっています。悲観せず、気を引き締めて社員たちがよい良い会社になったなと思える会社をつくっていきたいと思います。
今回の時代を読むが、皆さまのお役に立ちましたら幸いです。