2026年 5月号
投稿日:2026.04.30 最終更新日:2026.04.23
今回は、「最悪を想定して準備する」というテーマでお話したいと思います。
かねてよりお伝えしている通り、近い将来、経済秩序や価値観が劇的に変化するタイミングが来ると考えています。過去にバブル崩壊やリーマンショックを経験してきましたが、次に来る波はそれ以上の規模になるかもしれません。AIやロボットの台頭による労働環境の激変、あるいは通貨価値の転換に伴うベーシックインカムの導入など、これまでの「当たり前」が通用しない事態も起こり得るでしょう。
情勢を鑑みれば、最悪のシナリオはいくらでも想定できますし、時には想定を超える事態も起こります。だからこそ、常に最悪の事態を考え備えておくことが不可欠であり、当社では経営の実践としてそれに取り組んでいます。今回は、私たちが具体的にどのような準備を進めているかをご紹介します。
まずは、加速するインフレへの対策です。出店戦略は、資材や輸送コストの高騰というインフレの影響をダイレクトに受けます。そのため、単に物件数を追うだけでなく、万一の際には並行して出店スピードをコントロールできる柔軟な体制を整えています。また、貨幣価値の変動を見据え、これからの時代に真に必要とされる新商品・新サービスの開発にも注力しています。
次は、リーマンショックの教訓を活かしたリスク管理機能の内製化です。当時は債権回収業者すら倒産し、滞納対応を外注していた企業は資金回収ができず窮地に立たされました。その経験から、当社では滞納対応の仕組みを内製で構築しています。さらに、強固な経営基盤を作るため、ステークホルダーの皆様との関係構築や、オーナー様とのコミュニケーションも重視しています。オーナー様については専用のフォローアップ部署を組織し、長期的な信頼関係を構築することで、安定的な事業運営を目指しています。
そして緊急時に最も重要となるキャッシュ(現金)の蓄えも、決して欠かすことはありません。
最悪を想定した準備は、未曾有の混乱をチャンスに変えるための準備でもあります。現状維持バイアスという言葉があるように、人は悪い兆候を感じても「自分だけは大丈夫だろう」と思いたがるものです。明治維新の際、欧米から激変の波が押し寄せる中でも、多くの日本人は「まさか刀やマゲがなくなるはずがない」と信じていました。
脅かすつもりはないのですが、これから訪れる変革期には、あらゆる業界で革命ともいえる事態が起こり、一時的に経済が停滞する可能性が高いでしょう。しかし、経済が再始動するその瞬間に一気に加速できるよう、変化をチャンスに変える準備を怠らず、細部まで目配りした経営を続けたいと思っております。
今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立ちましたら幸いです。